ウズベキスタンと日本──外交、経済、文化が交差する「信頼と協力」のパートナーシップ。国交樹立から30年、平和外交と友好

 

日本とウズベキスタンの外交関係は、ウズベキスタンがソビエト連邦から独立した翌年の1992年に樹立された。

以来、両国は一貫して友好的な関係を築いてきた。

日本にとってウズベキスタンは、中央アジアにおける戦略的パートナーであり、日本の「平和外交」や「民主化支援」の理念に基づいて協力関係を築く相手国である。

 

国交樹立から30年

ウズベキスタンにとって日本は、無干渉・対等・安定的な関係を重視するパートナーであり、インフラ整備や教育、文化交流を通じて信頼関係を築いている。


国際政治においても、両国は相互の主権を尊重し、多国間枠組みや地域の安定に協力しており、表立った対立や摩擦の少ない安定した二国間関係を維持している。

ODAとインフラ支援──目に見える協力のかたち

ウズベキスタン国内には、日本のODA(政府開発援助)によって建設・整備された数多くの施設が存在する。

特に水道、上下水処理、災害対策、教育施設の近代化といった分野において、日本の技術と資金が活用されてきた。

たとえば、タシュケント周辺の水道施設改修や地方都市の衛生改善プロジェクトなどは、日本の無償資金協力と円借款の組み合わせによって実現したものである。

 

また、医療や障害者支援など、人道分野においても草の根レベルの協力が展開されている。

日本の地方自治体やNGOによる機材提供や技術支援が、地方の病院や障害者施設で活用されている事例も多く、こうした「見えにくい支援」がウズベキスタン国民の日本観に好印象を与えている。

日本企業の進出と投資環境の整備

経済面においても、両国の関係は着実に深化している。

ウズベキスタンは豊富な天然資源と若い労働力を持つ国であり、日本企業にとっては市場としての可能性を秘めている。

とくに日立製作所やトヨタ自動車、三菱商事、丸紅などがインフラや製造、エネルギー分野でプロジェクトを展開しており、合弁企業の設立や技術協力が進んでいる。

 

天然ガス、ウラン、金といった資源の開発においては、日本の鉱業技術や探査ノウハウが活用されている事例もあり、資源外交の観点からも関係強化が図られている。

また、近年は再生可能エネルギーやIT分野での協業の可能性も模索されており、「エネルギーの多様化」「技術の相互補完」という視点での連携が期待されている。

 

投資環境としては、ミルジヨーエフ政権による外資優遇措置や法人税減免、通貨両替の自由化といった改革が後押しとなっており、日本企業にとってもビジネス展開がしやすい体制が整いつつある。

文化交流と教育協力──「親しみ」と「共感」を育む土壌

外交や経済関係と並んで、両国を繋いでいるのが文化と教育の交流である。

ウズベキスタンにおける日本文化への関心は高く、日本語学習者の数は中央アジア諸国の中でも上位に位置している。

タシュケント国立東洋学大学には日本語・日本文化学科が設けられており、毎年多くの学生が日本への留学を目指して学びを深めている。

 

また、JICAの青年海外協力隊やシニアボランティアが日本語教育や技術指導、地域振興に携わっており、現地の教育・行政機関との信頼関係が築かれている点も重要である。

ウズベキスタン国内では毎年、日本映画祭や盆踊り大会、折り紙・書道ワークショップなどが開催され、文化的な「近さ」を醸成している。

 

他方、日本においてもウズベキスタン出身の留学生や技能実習生が増加傾向にあり、両国の人材交流は年々拡大している。

特に近年ではIT分野や観光サービス分野でウズベク人材が評価されており、日本社会における多文化共生の一環としても重要な役割を果たしつつある。

日本とイスラム世界──穏健国家ウズベキスタンの位置づけ

ウズベキスタンは国民の約95%がイスラム教徒であるが、同時に世俗主義的な国家体制を維持している。

過激派の流入やテロの脅威に対しても厳格な治安政策を取りつつ、穏健で伝統的なイスラム文化を尊重する姿勢をとっている。

このバランス感覚こそが、日本にとってウズベキスタンを「対イスラム外交の模範的パートナー」と認識する理由である。

 

特にアフガニスタン問題や中東の不安定化が国際社会の課題となる中で、ウズベキスタンは日本にとって「信頼できる対話相手」であり、安全保障協力の可能性も含めて将来的な連携が期待されている。

防災、医療、防疫、サイバーセキュリティといった非伝統的安全保障分野でも、協力の余地は大きい。

観光と民間交流──距離を越える共感の架け橋

近年、両国関係の中で急速に成長しているのが観光分野である。

ウズベキスタンはビザ免除の対象国として日本を位置づけており、2018年以降、日本人観光客の訪問数は着実に増加している。

サマルカンド、ブハラ、ヒヴァといった世界遺産の都市を訪れる日本人は、シルクロードの記憶とイスラム文化の美に魅了されている。

 

ウズベキスタン航空は成田便の直行路線を再開し、パンフレットや現地ガイドの日本語対応も進められており、今後は「第二のトルコ」的な中東・中央アジア観光地としての知名度がさらに高まる可能性がある。

また、民間レベルでも学生交流、姉妹都市提携、ビジネス視察団の派遣などが活発化しており、草の根のつながりが関係の厚みを支えている。

次なるステージへ──共創の時代を見据えて

外交関係30年を超えた現在、日本とウズベキスタンの関係は単なる支援・被支援の関係を脱し、対等なパートナーとしての次なるステージへと移行しつつある。

ウズベキスタンは自国のアイデンティティを確立しつつあり、日本はそれを尊重しながら、共に成長と安定を模索する道を選んでいる。

 

民主化と市場経済への移行、人的資源の育成、災害や感染症への備えなど、両国が直面する課題は異なるようで共通点も多い。

その中で、テクノロジー、教育、観光、文化といった「人間の営み」に根ざした協力が、国家間の信頼をより一層深めていくに違いない。

 

ウズベキスタンと日本。

その距離は遠くても、共に歩む未来は、静かに、しかし着実に近づいてきている。

 

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